工事のきっかけ
東京都足立区東綾瀬のT様のご自宅に、付帯部塗装とトップコート塗布を行いました。
最初は屋根メンテナンスの調査でお伺いしたのですが、その際にT様が他に気にされている箇所もあわせて点検させていただいたのが、今回の工事のきっかけでした。
T様が気にされていたのは、木製デッキ(縁台)の塗装の剥がれと、バルコニーの手すりのサビ、バルコニーの防水機能の低下でした。実際に調査させていただくと、デッキは塗装がほとんど剥がれており、バルコニーの手すりもかなり錆びついた状態に。また、防水層を守るバルコニーのトップコートは一部剥がれてしまっていました。
鉄製の部分に関しては、サビなどの劣化を防ぐため、塗装による定期的なメンテナンスが不可欠です。理想としては、概ね7年程度のスパンで塗装すると良いでしょう。
トップコートの塗布については、5年サイクルが理想的と言われています。
トップコートとは、屋上やバルコニーに塗られた防水層の保護を目的として塗布されるものです。防水層に用いられる防水材は、塗装したそのままの状態だと強い紫外線にさらされることですぐに劣化してしまいます。すると、雨漏りなどの被害が生じてしまうのです。そこで、トップコートを適切な時期に塗り替える必要があります。
トップコートの塗り替えは、足場を組まずに終えられる作業が多いので、こまめにメンテナンス・施工することをおすすめします。
鉄製の部分には、下塗り材を塗るところに錆止め塗料を使います。こうすることで、もともとの錆びつきを抑え、新たなサビの発生も防止してくれるのです。
なお、鉄部とトップコートの両方の施工に重要なのが、ケレン作業です。ケレン作業の有無が、施工の仕上がりに影響します。今回は、どちらの施工にもケレン作業を施しました。
作業を終えて、T様に状態を確認いただきました。仕上がりがキレイで良かったと、評価していただけました。
目 次
施工のビフォーアフター
基本情報
施工内容:付帯部塗装・防水工事
使用材料:ニッペ ファインウレタンU100、日本特殊塗料 プルーフロンGRトップ
築年数:築25年
ハウスメーカー:不明
施工期間:2日間
保証年数:保証は付けておりません
建坪:手すり:20m、木製デッキ:1台、バルコニートップコート:7㎡
工事費用:詳細はお問い合わせください
メンテナンスのご依頼をいただきました!
東京都足立区東綾瀬在住のT様より、付帯部の部分塗装とバルコニーのトップコート塗布の工事をご依頼いただきました。
まずは、木製デッキとバルコニーの手すりの塗装、バルコニーのトップコート塗布に際して、点検中の様子をご紹介します。
木製デッキは古い塗膜が剥がれてしまい、木の部分が露出してしまっていました。露出した木が水を吸ってしまうと耐久性がかなり落ちてしまうので、サッシの出入りの際に踏み抜いたりする危険があり、早急にメンテナンスが必要です。
鉄部に関しては、写真のようにサビが生じていました。サビが生じるようになると、他の箇所にもサビが広がっていってしまいます(もらいサビという現象です)。
ちなみに、サビが出てきて塗膜が剥がれている部分は、一度塗膜を落としてから塗装を施します。すると、どうしても凸凹した仕上がりになってしまいます。キレイな見た目のまま保ちたい場合には、サビが発生する前にメンテナンスすると良いでしょう。
バルコニーは、防水層のトップコートが剥がれてしまっていました。
外気・紫外線に常にさらされているバルコニーは、こまめなメンテナンスが重要です。なぜなら、バルコニーのトラブルは雨漏りに直結してしまうためです。一度雨漏りが生じてしまえば、下地の補修工事や土木工事といった、費用のかさむ大規模な工事が必要になってしまいます。だからこそ、トラブルが起きる前に点検・補修しておくことをおすすめします。
塗装工事の様子
今回は、付帯部塗装・防水工事に共通してケレン作業を行いました。ケレンの由来は、英語の「clean」。文字通り、キレイにするための作業です。
まずは鉄部のケレン作業です。サビのひどい部分や塗膜が剥がれてしまっている部分をしっかり研磨し、目が粗いやすりで丁寧に目粗しを行って仕上げます。
ケレン作業を行うことで、鉄部やバルコニーの表面がツルツルとします。しかし、そのままの状態では塗料を塗った際に吸着が悪く、塗膜が浮いてしまう恐れがあります。そのため、目粗しをすることで塗膜がしっかり吸着するように下地を調整する必要があるのです。
次に、木製デッキのケレン作業についてご説明します。木部の場合は下地が柔らかいため、ケレン作業も丁寧に行っていきます。また、木材には大気中の湿気を吸ったり吐きだしたりする調湿作用があるため、木部の塗装は長持ちさせるのが難しいと言われています。調湿作用があると伸縮を起こしやすく、塗膜が伸縮に追いつけなくなることがあるためです。
さらに、古い塗膜が残っていると新しい塗膜の剥がれを助長しかねません。そのため、古い塗膜をできるだけしっかり落としました。
以上で、ケレン作業は終了になります。ケレン作業だけでもかなりキレイになりますが、さらに塗装を行っていく必要があります。
今回使用した塗料は、日本ペイントのニッペ ファインウレタンU100です。ウレタン塗料は、一般的なグレードでも価格が低く、耐用年数が短いものが多いと思います。しかし、それには理由があるのです。
塗装において、耐用年数は重要な項目の一つです。耐用年数が長ければメンテナンスの頻度も減らせると思われるかもしれませんが、実際は塗料の向き不向きまで考えなければいけません。
例えば、フッ素塗料は耐用年数が長いですが、塗膜も固いです。そこで、今回のような鉄部や木部にフッ素塗料を塗布してしまうと、鉄部は熱で、木部は調湿で伸縮を起こすため、下地の動きに塗膜が追いつかず、ひび割れが起きやすくなります。
一方で、今回使用したウレタン塗料であれば、柔軟性が高いため伸縮する下地の動きにも追従でき、ひび割れも起こりにくいです。そのため、鉄部や雨どい、木部などの塗装にはウレタン塗料が適していると言えます。
バルコニーのトップコートには、ウレタン防水用のトップコートである日本特殊塗料のプルーフロンGRトップを使用しました。トップコートは、防水層に合わせたものを使用するようにしましょう。
ケレン作業を終えたら、塗装作業に入ります。鉄部や木部の塗装には、下塗り・中塗り・上塗りと3回塗り作業を行いました。
塗装の際は、塗膜をちょうどいい厚さに形成することが重要です。職人の方の腕が試される作業であると言えるでしょう。
木部の塗装をかけたところです。たちまちキレイになっていきます。
バルコニーのトップコート塗装の作業です。塗料が均一になるよう、丁寧に塗っていきます。
これで一連の作業が終了しました。サビていた箇所や、塗膜が剥がれていた箇所がなくなり、キレイになりました。
施工後、T様も職人の方の作業が丁寧で安心できたとおっしゃっていました。
弊社では新型コロナウイルス感染防止のためマスク着用、アルコール消毒等を徹底して施工いたします。お住まいのことで困りごとがありましたら、安心してご相談いただければと思います。
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「著者情報」
関裕一
東京都足立区出身 1級外壁・屋根調査士・ドローンパイロット
サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス) 最高技術責任者
18歳から塗装職人として2.250件以上の施工に携わる。
塗装業界の歪んだ構造を塗り替えるべく、奇跡の「新時代塗装」倶楽部を主催している。
お家を長く保つアドバイスを、分かりやすくお伝えします。
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