最近は、さまざまな場で活用されているドローン。
その中でも需要が増えてきているのがドローンによる屋根の点検です。
今回は、ドローンを使った屋根点検についてご紹介します。
これからドローンを活用した点検事業を考えている方や、ご自宅の雨漏りなどで屋根を調査したい方は是非、参考になさってください。
目 次
ドローンによる屋根点検のメリット・デメリット
まずはドローンで点検をする、メリットとデメリットをご紹介しましょう。
ドローンで屋根点検をするメリット
屋根に登らないので、足場を組む費用がかからない
点検時間が短い
安全に点検できる=転落事故を防ぐ
業者と一緒にその場で状態を確認できる
ドローンで屋根点検をするデメリット
法律により飛行できない区域がある(国会議事堂など国の重要施設とその付近)また飛行許可が必要な区域もある。
雨や風が強いと飛行できないなど、天候に左右される
応急処置が必要でもその場で対応できない
作業時間が短く、人が登らないので安全性が高いなど、ドローンはメリットの多い点検方法です。
一方で、天候に左右されやすいだけでなく、飛行できるか、飛行許可申請など含めて事前に必要な準備も多い点は考慮に入れておいてください。
ドローンによる屋根点検の事前準備
点検をする前に、ドローンを飛行させるための事前の確認作業と準備することがあります。
まずは、飛行する場所の確認が必要です。
点検する現場がドローンの飛行禁止区域(空港の周辺・人口集中地区)ではないことを確認します。
また、以下の飛行許可申請も行います。
目視外飛行:点検する際にモニターを見ていることも多いため
30m未満の飛行:屋根に接近して撮影するため
許可申請は飛行する日の2週間前までに国交省へ行います。
航空法などの法律や条例で規制されている、注意点も確認してください。
道路使用許可
ドローンで道路上空から撮影するだけなら、道路使用許可は必要ありません。
ですが、ドローンの離着陸や飛行ルートが道路や歩道上にある場合、管轄の警察署の道路使用許可が必要な場合があります。(地域により異なります。)
地域条例
国交省から許可を得ている場合でも、都道府県や市町村の地域条例により、飛行が制限される場合があります。地域によって違うので、飛行前には必ず役所等で許可申請の有無を確認してください。
飛行場所付近の人の通行
「30m未満の飛行」の許可を得ていても、ドローンの落下などの事故のリスクがあります。
人員を配置し、交通誘導などを行いましょう。
電線が近くにないか
電線は、人ははっきり目視できますが、ドローンの障害物センサーでは認識できないこともあります。(細すぎて反応しない)
また、電線の電磁波によりドローンが操作できなくなったり、映像が乱れるといったトラブルが発生してしまうこともあります。
電波や機体の強度をその都度チェックしましょう。
飛行を続けられないと判断した場合は、点検を中止してください。
ドローン点検に必要な機材
点検場所の確認が終わったら、点検当日に向けて機材を準備します。
必要な機材を確認しましょう。(現場により、必要な機材は違うこともあります。)
ドローン
モーターが正常に起動するか、プロペラのヒビや欠け・歪みなどの破損、汚れがないかを確認します。
バッテリー
予定した飛行時間やルートに対応できる数を確保、全てフル充電しておきましょう。
風速計
前日までの気象情報で風が弱くても、当日の確認は必須です。
当日計測して、飛行予定を変更することもあるので、必ず携帯してください。
作業員のヘルメット
ドローンは、約1キロの重さがあります。
もしもの落下事故から作業員を守ります。
作業用ポール
ドローンの飛行上に道路・歩道がある場合、人の進入を防ぐために設置します。
飛行計画書
依頼主への提出、業者の社内での情報共有、警察から提出を求められた場合備えて、必ず作成し、携帯しておきます。
飛行許可書
依頼主や近隣へドローンの飛行の連絡、説明をするときに必要です。
いよいよドローンで屋根の点検開始!
いよいよ点検当日です。
ドローンの飛行許可を取得し、機材の準備が整ったら、屋根の点検をはじめます。
離陸後して屋根に近づけるまで、必ず目視でドローンを確認してください。
点検中に注意したいことをまとめます。
TVアンテナ
屋根に固定しているアンテナのワイヤーは細く、カメラで視認しにくいため、ドローンのプロペラで巻き込んでしまうことがあります。
必ず目視でドローンを操作してください
また、混線しないよう設計されていますが、電波の影響で操作できなくなる可能性もあります。
ドローンを屋根に衝突させない距離感をつかむ
ドローンを目視して操作している時とモニターを見ながら操作している時では、ドローンと屋根の距離感が全く異なります。
1点に集中することで前進し過ぎたり、左右が見えなくなると、屋根に衝突してしまうかもしれません。
ドローンが屋根に衝突してしまうといった事故を防ぐために、ドローンの目視とモニターの確認は交互に行い、作業スタッフ同士は連絡を緊密にとりましょう。
対象から45度からの撮影方法
屋根の対象面に対して、カメラの角度を45度から撮影します。
そうすれば、光の反射やドローンの影などが入り込まず、鮮明な画像で点検ができます。
動画撮影の場合は動きを一定に
広範囲の撮影では、作業時間の短縮やバッテリー効率を上げるために、動画にすることもあります。
動画の撮影の場合は、ドローン操作を一定にすることが大切です。
動きが早かったり遅かったりという緩急がつくと、同じようなパターンが続く屋根や外壁で、損壊し修理が必要な箇所を見逃してしまうことがあります。
また、撮影自体が失敗してしまうこともあるので、慎重な操作が必要です。
点検が終了したら
点検が終わったら、撮影した画像に見落としがないかを、すぐに確認しましょう。
無事に撮影できていれば、撮影データの納品日や納品方法を伝えます。
修理が必要なら、改めて日程などを打ち合わせます。
その場合は、必要に応じて国交省の申請や道路使用許可の再取得を行います。
まとめ
いかがでしたか。
ドローンを使った屋根の点検について、点検に必要な事前の準備から点検の流れをご紹介しました。
点検する建物の立地などにより、撮影の方法や許可申請なども変わってきますので、しっかりと細かく確認することが大切です。
そして安心・安全な飛行で、スムーズな屋根の点検を行いましょう。
サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス)は、ドローンによる屋根点検の実績も豊富です。
点検には、経験豊かなスタッフが伺います。
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「著者情報」
関裕一
東京都足立区出身 1級外壁・屋根調査士・ドローンパイロット
サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス) 最高技術責任者
18歳から塗装職人として2.250件以上の施工に携わる。
塗装業界の歪んだ構造を塗り替えるべく、奇跡の「新時代塗装」倶楽部を主催している。
お家を長く保つアドバイスを、分かりやすくお伝えします。
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