相見積もりを活用した外壁塗装プロジェクトと信頼できる業者の選び方

【著者情報】

サンセイペイント最高技術責任者

関　裕一

東京都足立区出身　戸建住宅劣化診断士・ドローンパイロット

18歳から塗装職人として2.250件以上の施工に携わる。

塗装業界の歪んだ構造を塗り替えるるべく、奇跡の「新時代塗装」倶楽部を主催している。

「外壁塗装プロジェクトのスタート！」

外壁塗装を決意した瞬間、最優先事項は見積もりの取得です。

「具体的にどのような作業が必要なのか？」「コストはどれくらい見込まれるのか？」

もし長年の信頼関係を築いている工務店があり、そこに依頼する意向が固まっている場合を除き、複数の業者から見積もりを取り、それらを比較する「相見積もり」が不可欠です。

外壁塗装は、少なくとも数百万円の投資が必要な大規模なプロジェクトであり、場合によっては200万円を超えることもあります。相見積もりにより、支払い額だけでなく、業者の技術水準や対応の質を見極めることが可能です。

ただし、どの業者を選ぶべきか判断するためのポイントがわからなければ、最終的な選択を下すことは難しいでしょう。

この記事では、相見積もりにおいて

求める見積もりの理想的な数
業者の選定基準
最終的に業者を決定する際のアドバイス

を詳しく説明します。

相見積もりは3～4社から取るべき
相見積もりを依頼する際のコツ

業者の選び方
見積もりにおける同一条件の提示

業者選定の重要ポイント7つ

見積もり検討時間
見積書の詳細
丁寧な説明
職人の研修・教育体制
不透明な大幅値引きの提案の有無
即決の強要の有無
アフターフォローの有無

業者決定のコツ

家族との相談
価格だけに左右されない
ライフプランとの整合性

相見積もりは3～4社から取るべき

1. 市場価格の理解

外壁塗装の相場を把握するには、複数の業者から見積もりを取ることが必要です。3～4社からの見積もりを比較することで、おおよその市場価格を理解することができます。これにより、適正価格でサービスを受けられるかどうかの判断基準が得られます。

2. サービス内容の比較

外壁塗装は単に塗り替えるだけではなく、下地処理、使用する塗料の種類、仕上がりの品質など、業者によって提供されるサービスに大きな差があります。3～4社から見積もりを取ることで、それぞれの業者が提案するサービスの内容や品質を比較し、自分のニーズに最も合った業者を選ぶことができます。

3. 技術力と信頼性の確認

見積もりを取る過程で、業者の技術力や信頼性も同時に確認することが重要です。見積もり書の詳細や業者の対応、過去の施工例の確認などを通じて、業者の実力を測ることができます。3～4社から見積もりを取ることで、より広範な選択肢の中から、質の高いサービスを提供できる業者を見つけることが可能になります。

4. 交渉材料の確保

複数の業者から見積もりを取ることは、価格交渉の際の有力な材料となります。他社の見積もりを提示することで、希望する条件や価格に近づけるための交渉がしやすくなります。また、業者間の競争を促すことで、より良い条件での契約が期待できます。

5. 最適な選択の確率を高める

外壁塗装は高額な投資であり、一度の選択が長期にわたって影響します。3～4社の見積もりを比較することで、最もコストパフォーマンスが高く、信頼できる業者を選ぶ可能性が高まります。これにより、後悔のない選択ができ、満足度の高い結果を期待できます。

相見積もりを取る際は、単に価格だけでなく、提供されるサービスの内容、業者の技術力と信頼性、アフターサービスの質など、総合的に比較検討することが重要です。これにより、適切な業者選びができ、外壁塗装プロジェクトの成功につながります。

相見積もりを依頼する際のコツ

業者の選び方

実績と評判の確認：

インターネットの口コミや評価、業者のウェブサイト上の施工事例を調べ、その業者の実績と評判を確認します。特に完成したプロジェクトの写真や、顧客の推薦文は、業者の技術力や顧客対応を判断するのに役立ちます。

専門性の確認：

外壁塗装に特化している業者、あるいは幅広いリフォーム工事を手掛ける業者など、その業者の専門性を確認します。専門性が高い業者は、その分野の知識や技術に長けている可能性が高いです。

対応エリアとアクセス：

自宅の近くで営業している業者を選ぶことで、現場訪問が容易になり、工事中やアフターサービスの際の対応がスムーズになります。

保証とアフターサービス：

工事後の保証内容やアフターサービスの充実度を確認します。長期保証を提供している業者や、定期的なメンテナンスサービスを行っている業者は、工事後も安心して任せることができます。

見積もりにおける同一条件の提示

工事範囲の明確化：

外壁塗装の範囲はもちろん、使用する塗料の種類やグレード、下地処理の範囲など、工事の詳細を明確にして、すべての業者に同じ条件で見積もりを依頼します。これにより、各業者の見積もりを公平に比較することができます。

仕様と品質の指定：

希望する塗料のブランドや性能、色などの具体的な仕様を指定します。また、完成後の品質に関する期待値（例：耐久年数、仕上がりの美観）を伝えることで、それを満たすための見積もりを提出してもらえます。

予算の共有：

予算があらかじめ決まっている場合は、それを業者に伝えることで、予算内で最適な提案をしてもらうことが可能になります。ただし、予算を伝える際は、あまりにも低い予算を提示すると、工事の質が低下する可能性があるため注意が必要です。

納期の確認：

工事を希望する時期や完成希望日がある場合は、見積もり依頼時にその旨を伝えます。これにより、業者がスケジュールの調整を行い、期待に沿った計画を立てることができます。

業者選びと見積もり依頼の際には、これらの点に注意を払うことで、より満足のいく外壁塗装工事を実現することができます。適切な情報の提供と明確なコミュニケーションが、最終的に最良の業者選定に繋がります。

業者選定の重要ポイント7つ

1. 見積もり検討時間

重要性：見積もりの検討に時間をかける業者は、細部にわたって注意深く検討しています。これは、正確な見積もりと高品質な仕上がりに直結します。
評価方法：業者が見積もりを作成する際に、現場の詳細な調査を行い、質問に対して具体的な回答をするかどうかを確認します。

2. 見積書の詳細

重要性：見積書の詳細さは、業者の透明性と誠実さを示します。詳細な見積書は、工事内容やコストの理解を深め、後のトラブルを避ける助けになります。
評価方法：見積書に工事の範囲、使用材料、工期、支払い条件などが明確に記載されているかをチェックします。

3. 丁寧な説明

重要性：業者が提案内容や見積もりの詳細を丁寧に説明することは、顧客との良好なコミュニケーションを築く上で重要です。
評価方法：業者が質問に対して適切に回答し、専門用語を分かりやすく説明してくれるかを確認します。

4. 職人の研修・教育体制

重要性：継続的な研修や教育を受けている職人は、最新の技術や材料に精通しており、品質の高い仕上がりが期待できます。
評価方法：業者に職人の研修制度や資格保有状況について尋ね、業者のウェブサイトや資料で確認します。

5. 不透明な大幅値引きの提案の有無

重要性：突然の大幅な値引き提案は、元々の見積もりが適正でない、または工事の品質を下げる可能性があることを示唆しています。
評価方法：値引きの根拠を業者に尋ね、その説明が合理的かどうかを判断します。

6. 即決の強要の有無

重要性：即決を強要する業者は、顧客の慎重な検討を妨げ、後悔する原因となり得ます。
評価方法：見積もり提出後、業者が決断を急がせるかどうかを観察します。時間をかけて検討できる余地を与える業者は信頼できる可能性が高いです。

7. アフターフォローの有無

重要性：工事完了後も継続的なサポートやメンテナンスを提供する業者は、長期的な顧客満足を重視しています。
評価方法：保証期間、定期点検の有無、アフターサービスの内容を業者に確認します。

これらのポイントを基に業者を選定することで、技術力が高く信頼できる業者との契約が期待できます。選定プロセスにおいて、これらの基準を満たす業者を見つけることが、成功した外壁塗装プロジェクトの鍵となります。

業者決定のコツ

外壁塗装の業者を最終的に決定する際には、いくつかのコツを抑えることが重要です。特に、「家族との相談」、「価格だけに左右されない選択」、「ライフプランとの整合性」という3つのポイントは、後悔のない業者選定に欠かせません。これらを詳しく解説します。

家族との相談

重要性：外壁塗装は家の外観を大きく変えることができるため、家族全員の合意が必要です。また、工事中の生活の不便さや予算配分についても、家族全員で納得する必要があります。
方法：工事内容や見積もり、業者の選択肢を家族会議で共有し、意見を出し合います。この過程で、家族それぞれの要望や懸念を明らかにし、最終決定に至るまで話し合いを重ねます。

価格だけに左右されない

重要性：外壁塗装は価格だけでなく、使用する材料の質、施工の技術力、保証期間など、総合的なサービスの質を考慮する必要があります。最安値の業者が必ずしも最良の選択とは限りません。
方法：見積もりの詳細を比較検討し、コストパフォーマンスを考慮します。高い見積もりでも、その価格に見合った理由や価値があるかを検討し、長期的な視点で判断します。

ライフプランとの整合性

重要性：外壁塗装は家のメンテナンス計画の一環であり、将来のライフプランと整合する必要があります。例えば、数年後に売却を考えている場合や、長期間住み続ける計画がある場合など、その目的に応じた最適な塗装計画を立てることが重要です。
方法：将来の住宅に関する計画を考慮し、それに合った塗料の種類や色、耐久性などを選択します。また、予算配分も将来の計画に基づいて決定し、無理のない範囲で最適な業者を選びます。

これらのポイントを踏まえて業者を選定することで、家族全員が納得し、かつ長期的な視点で見ても最適な外壁塗装プロジェクトを実現することができます。業者選びは慎重に行い、家族の意見を尊重し、価格だけでなくサービスの質や将来のライフプランとの整合性を考慮して決定することが、成功への鍵となります。