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はじめての屋根修理工事入門|7つの基本知識をプロが分かりやすく解説します その3




記事その3では、

  • 屋根修理の基本6:業者について

  • 屋根修理の基本7:時期について

  • DIYで屋根補修する方法と手順

  • まとめ

について解説していきます。


目 次




屋根修理の基本6:業者について



ここからは、修理業者について解説します。


屋根修理を承っている業者はかなりの数あり、得意な工事や料金体制、サービス内容などは業者の数だけあります。

数が多いだけに、そこから選ぶとなるとかなりの労力が必要ですよね。

では一体どのような屋根修理業者に頼めばいいのでしょうか。


気を付けたい「悪徳業者/訪問業者」の6つの手口とは



屋根修理業者の中には、残念ながら不正をはたらく業者もいます。


例えば、突然お家にやってきて


「屋根が大変なことになってます!」

「無料で見積もりしますよ!」


などと言い、無理に契約しようとする訪問業者のトラブルなどもそうです。

こういった悪徳業者による被害は、毎日のように消費者センターへ報告されています。 (参考:訪問販売によるリフォーム工事の相談件数の推移


しかし、悪徳業者による訪問販売の手口を知っておくことで、危険を未然に防ぐことができるんです。

ここでは、特に気を付けたい以下の6つの手口についてお伝えします。

  1. 依頼していないのに屋根修理の営業をされる

  2. 大幅な値引き(10万円以上)を提案する

  3. 曖昧な見積もりを提案する

  4. 契約を急かす :割引の適用

  5. 契約を急かす :不安をあおる

  6. すぐ解約できると言い、仮契約をさせる

1.依頼していないのに屋根修理の営業をされる

お客様が相談も依頼もしていないのに、飛び込み営業をかけてくる業者には注意しましょう。

こういった業者は屋根の状態を下から見ただけで修理が必要だと判断し、工事の提案・見積もりを出すこともあります。


優良な屋根業者は、訪問販売でいきなり屋根修理を勧めてくることはありません。

訪問販売で屋根修理を売りにきた時点で、信用できない悪徳業者であることを覚えておきましょう。


2.大幅な値引き(10万円以上)を提案する

「屋根修理には180万円かかりますが、今なら80万円分を値引きして100万円で工事致します!」

と、大幅な値引きをすることで、契約を迫る手口もあります。

こう聞くと、明らかに不正に金額を操作しようとする業者の意図が見えた方も多いのではないでしょうか?

高額の値引きをするのであれば、なぜ最初から100万円で提案しないのだろう、ということです。


適切な工事の場合、必要十分な工事費用と業者の利益が足された見積もり金額を提案します。

そもそも、値引きすること自体が難しいと言えるでしょう。

屋根工事の場合は値引き金額は最大でも10万円程度です。

もし10万円以上の値引きがあったときは、悪徳業者ではないか疑うことが重要です。


3.曖昧な見積もりを提案する

工事の1つ1つの工程や道具の説明、そしてそれぞれにかかる費用が詳細に書かれているのが、優良業者の見積書です。

要するに、見積書を見るだけで、工事プランを全て把握できるように作らなくてはいけません。

当然業者にとっても「工事では見積書に書いてあることをする」というのは共通認識となっています。


それにも関わらず、「屋根修理 一式 60万円」といった曖昧な見積書を出す業者には注意しましょう。

これでは本当に必要な工事がされるのか、どんな塗料を使うのかなどまるで分かりません。

どこにどれだけの費用がかかっているかも分からず、最悪の場合金額を水増しされている可能性もあります。


他にも修理内容や費用が詳細に見積書に書かれていれば、何かトラブルがあった場合の証拠にもなります。

曖昧な見積書を提示したり、説明をしっかりしてくれないような業者は避けましょう。


4.契約を急かす:割引の適用

「今なら!」「今すぐ!」といったキーワードには注意が必要です。


例えば、

「今なら20%割引で施工しますよ」

「今契約してもらった方だけに特別なキャンペーンを適用します」

という営業文句を使って契約を迫ってきた場合、

考える時間もなく焦ってしまい、十分検討せずに契約してしまう恐れもあります。


このような業者の意図は基本的にはお客様に正常な判断をさせないことですが、金額でしか勝負できない・技術や実績に自信がないという場合もあります。

こういった業者に屋根修理を頼むのはリスクが高いので、どんなに魅力的なプランであっても「一度検討します」と時間を空けてよく考えましょう。


5.契約を急かす:不安をあおる

屋根修理を勧めてきた業者と話しているうちに打ち解けて、愛着が沸いてしまったりすることがあります。


特に心配なのは一人暮らしのお年寄りなど話し相手を求めている方です。

そのような方に取り入って契約させるという被害も現在かなり増えています。


例えば修理を金額的な問題などで断ると、「今契約されない場合は、別の者が担当になるかもしれません。」と、不安にさせるような話をしはじめます。

もう来てくれないのかと思って無理をして契約してしまうと、高額な費用を払わされたり、トラブルに巻き込まれてしまうのです。


優良な屋根業者であれば、そのような言葉で不安をあおることはありません。


6.すぐ解約できると言い、仮契約をさせる

訪問販売で気をつけなければいけないのが、仮契約を迫ってくる業者です。


「いつでも解約できますよ。」「仮契約なので解除できますよ。」と言われると、ハードルが下がり、一旦申し込んでおこうと思う方もいるかもしれません。


ですが、業者側は訪問販売に適用されるクーリングオフ期間のことを仮契約期間と呼んでいる場合もあります。

クーリングオフには契約から8日以内という期限があります。

つまり9日以降になると自動的に本契約を結んだことになってしまうのです。


もし本契約したことに気づいて解約を伝えると、違約金を要求されることもあります。

仮契約を提案されたとき、期限や違約金の説明をしっかりとしてくれない場合はおすすめできません。


規模で違う屋根業者のオススメ度

以下に屋根修理業者を大きく7つに分けて解説します。

業者を選ぶ際の参考にしてください。





元請け・下請け・孫請けについて



お家の修理を規模の大きい有名な業者に依頼したいという方もいるかもしれません。

ですが、大手業者には屋根修理の専門組織がなかったり、その業者が直接対応することができなかったりすることもあります。

屋根修理は特に専門的な知識や技術を持つ職人が担当する必要があり、もし大手業者に頼む場合はその会社が下請けへ仕事を委託することもありえます。


たとえば、

  1. 元請けに工事を依頼

  2. 元請けに専門組織がなく、下請けに発注

  3. 下請けが対応できず、孫請けへ委託

  4. 孫請けが施工

となったとしましょう。


こういった形で工事が発注された場合、元請けの利益+下請けの利益+孫請けの利益+施工費の合計を支払う必要があるのです。

下請けに発注することでかかる費用を、中間マージンと呼びます。


この中間マージンのような余計な費用をかけたくない場合は、最初から屋根修理専門の業者へ依頼することをおすすめします。



屋根修理の基本7:時期について



つぎは、屋根修理の7つ目の基本、時期について見ていきましょう。

工事をする時期というのは非常に大切で、それぞれのタイミングで気を付けるポイントがあります。


屋根修理において、最も注意したいのは悪天候です。

ですが、雨が多い時期は屋根修理ができないという訳ではありません。

下に時期によって気を付けたい注意点をまとめました。



DIYで屋根補修をする方法



屋根の簡単な補修であれば業者に依頼することなく、自分で直すこともできます。

費用を抑えるためにDIYを検討している方は、ぜひ以下をチェックしてみましょう。


自分でできる屋根補修とは

まず、DIYでできる屋根の補修は

  1. 雨樋のテープ修理

  2. コーキング

  3. 塗装

の3つです。


1.雨樋のテープ修理

主に雨樋の水漏れやひび割れなどを補修する簡易的な方法です。

ホームセンターで専門の補修テープを購入して、はしごを使って屋根に上り、テープで割れた部分を塞ぎます。

ただし、雨樋の補修テープは応急処置に過ぎません。

処置後は業者に本格的な修理をしてもらうことも検討してください。


2.屋根のコーキング

屋根のコーキングのひび割れを塞ぐ方法です。

ただし、雨漏りしている場合はDIYで対応するのはやめておきましょう。

原因特定が難しく、原則業者に対応してもらう必要がある症状です。

もし雨漏りの原因ではない部分をコーキングでふさいでしまうと逆に雨漏りが悪化することもあるため、注意しましょう。


3.屋根の塗装

屋根塗装はDIYでも可能な作業です。

ただし、屋根は滑りやすいため転落には注意しましょう。

DIYで屋根塗装をしていて大怪我をしてしまっては本末転倒です。

できるだけ業者に依頼して行うことをおすすめします。


DIYの手順

DIYで屋根を補修したい方のための基本的な手順を紹介します。


屋根修理は基本的に下地処理→補修作業の順に行います。


雨樋のテープ修理の場合は、補修場所を拭いてきれいにしてからテープを貼ります。

コーキングの場合も同様で、補修場所を掃除したら下塗りをして、その後コーキングを注入しましょう。


屋根塗装は下地処理のあと、下塗り・中塗り・上塗りの3工程があります。

下塗り材、中・上塗り材とハケやローラーといった塗装道具一式はホームセンターで購入できます。

下塗りをした後、中塗りと上塗りとして同じ塗料を使い、重ね塗りをします。

これを1度塗りだけにしてしまうと塗装の耐用年数が短くなってしまうため、必ず中塗りと上塗りの2回塗りで仕上げましょう。


ただし、多くの場合屋根塗装は足場が必要です。

足場の組み立てはDIYではほぼ不可能なので、やはり業者に依頼するのが確実ですね。



まとめ


屋根修理の7つの基本とは、

  • 屋根の素材・形

  • 劣化症状について

  • 費用について

  • 工事について

  • 見積もりについて

  • 業者について

  • 時期について

という、屋根の修理をするにあたって必要な7つの基本知識です。


屋根修理の費用相場は修理の規模によって金額が大きく変わります。

部分的な交換(スレートやガルバリウム)であれば、1枚につき2〜5千円ほどが費用相場です。

全体的な屋根リフォーム(葺き替えや重ね葺きなど)の場合は、1回の施工につき60〜200万円程度の費用がかかります。


そして、屋根修理のタイミングは劣化症状によって分かります。

  • 屋根材のヒビ割れ

  • 反り

  • サビ

などの症状が出ていたら修理を検討しましょう。

このような経年劣化だけでなく、自然災害や施工不良などによっても劣化や不具合が生じることがあります。


ここまで読んでいただきありがとうございました!



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「著者情報」

 関裕一 

東京都足立区出身 1級外壁・屋根調査士・ドローンパイロット

​サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス) 最高技術責任者

18歳から塗装職人として2.250件以上の施工に携わる。

​塗装業界の歪んだ構造を塗り替えるべく、奇跡の「新時代塗装」倶楽部を主催している。

お家を長く保つアドバイスを、分かりやすくお伝えします。



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