築25年になる賃貸ハウスをお持ちのお客様から、外壁塗装のご依頼をいただきました。
戸建て住宅と同様に、賃貸住宅も築年数が経つにつれて劣化していきます。
だんだん建物の古さが目立つようになったので、空室になった部屋の借り手がなかなかみつからないというお悩みがあったそうです。
今回は、築年数が経過した賃貸ハウスで、外壁塗装と雨漏り防止工事を行った事例をご紹介します。
目 次
築25年賃貸ハウスの外壁塗装、施工前と施工後
外壁塗装のご依頼があったのは、築25年になる賃貸ハウスです。
この建物の外壁はサイディング貼りで、見るからに汚れや劣化が目立っていました。
外壁塗装のほかに雨漏り防止工事も行い、新築のようにきれいな賃貸住宅に生まれ変わりました。
今回は、次のような工事を行いました。
施工内容
外壁塗装、サイディング張替え、防水工事、シーリング打ち替え、外壁フッ素塗装、ベランダ目隠し取り付け、廊下塗装、廊下雨漏れ防止工事
使用材料
AGCコーテックフッソ塗料、YKKap AGCko-tekku、AGCコーテックフッソ塗料、YKKap AGCフッソ塗料、YKKap AGC AGC AGCフッソ塗料、YKKap、防犯カメラ、ケイミユーサイデイング
築年数と建坪
25年/120坪
施工期間
40日間
保証年数
10年
築25年賃貸ハウスの経年劣化の状態
築25年の賃貸ハウスで見られた経年劣化の状態について、お伝えします。
この建物の外壁はサイディング貼りです。
点検してみると、外壁の所々でサイディングが反っている部分がみつかりました。
年数が経つにつれてサイディングそのものが劣化し、それを放置したためにさらに劣化が進んだようでした。
サイディング貼りの外壁は、15年以上たつと反りが発生する場合があります。
材質や施工上の問題が原因と考えられます。
もし、今回と同じように、所有物件で外壁のサイディングの反りが気になる時は、専門業者に点検してもらうことをおすすめします。
サイディングの状態によっては、貼り替えが必要になるケースもあります。
特に汚れが目立っていたのは、北側の外壁です。
今回ご依頼のあった賃貸ハウスでは、人気のある「窯業系サイディング」が使われていました。
窯業系サイディングは、セメント質と繊維質を主な原料にしている外壁材です。
最近では、新築住宅の多くが外壁材にサイディングを使用しています。
窯業系サイディングは柄や色のバリエーションが豊富なので、希望通りの外観を作れるという魅力があります。
その反面、表面に凹凸があるので汚れが目立ちやすく、反りやひび割れが発生するケースも多いのです。
また、サイディングの継ぎ目に施したシーリングも、経年劣化によってひび割れたり剥がれたりするのを避けられません。
今回の賃貸ハウスでは、窯業系サイディングの継ぎ目に、シーリング材が2面接着で施工されていました。
2面接着にしているのは、部材の温度差による伸縮や、建物の揺れに対応できるようにするためです。
建物を守るためにも、10年を目安にして、シーリング材のメンテナンスが必要になります。
定期的にメンテナンスを行うことで、建物の耐久性能を維持できるのです。
1階ベランダでは、プラスチック製の笠木が変形している部分がありました。
原因は太陽熱と思われます。
変形した笠木をそのままにしておいては危ないので、取り換えが必要です。
また、1階ベランダは外から簡単に見える状態でした。
防犯の面からも、1階ベランダには、目隠しを取り付けた方が安心できます。
特に1階の部屋は、防犯対策を強化しておくことが重要です。
内部階段には、錆びが目立っていました。
内部階段はもちろん、入居者が毎日目にする場所は、劣化や汚れが発生したら早めに対処することが大事です。
入居者離れを防ぐためにも、建物のこまめなメンテナンスは欠かせません。
メーター室を見ると、錆が広がっている扉が複数ありました。
入居者が毎日メーター室前を通るたびに目にするので、早めに塗装する必要があります。
腐蝕が進んでいる場合は、扉を取り替えることになります。
できれば、錆びがここまで広がる前に、小まめに手入れをして錆が出ないようにしておくと、補修コストを抑えることができます。
入居者にとっては、錆びが目立つ建物よりも、きれいで清潔感がある建物の方が魅力的です。
建物の劣化が進む前に、小まめに手入れすることをおすすめします。
賃貸ハウスの廊下には、水が溜まっている部分があり、廊下の窓の隙間から雨水が入っていると思われます。
廊下の床面は防水処理がされてないので、大雨や台風が起こった場合、雨水が入り込み下の階に被害が広がるかもしれません。
これ以上雨水が侵入してこないように、早急に雨漏れ防止工事を行う必要があります。
外壁塗装を行う場合は、近隣の方への配慮が欠かせません。
工事日程について事前に説明することはもちろん、特に騒音が出る日があれば、きちんと伝えて了解を得ておくなど、きめ細かく対応することが大切です。
今回は、賃貸ハウスと隣の住宅とが接近しており、足場を組む段階から、隣の方に迷惑が掛からないように慎重に作業を行いました。
都市部では住宅や建物が密集しているため、近隣の方とのトラブルが起こらないように、十分に配慮しながら工事を進めることが重要なのです。
まとめ
今回は、築25年の賃貸ハウスの外壁塗装の施工事例について、ご紹介してきました。
賃貸住宅では、入居者に安心して住んでもらえるように、早めのメンテナンスが大切になります。
小さな劣化を放置していると、劣化が広がりメンテナンス費用が多く掛かってしまいます。
また、建物が古い印象になってしまうと、入居者離れにもつながるので、早めに対処するようにしましょう。
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「著者情報」
関裕一
東京都足立区出身 1級外壁・屋根調査士・ドローンパイロット
サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス) 最高技術責任者
18歳から塗装職人として2.250件以上の施工に携わる。
塗装業界の歪んだ構造を塗り替えるべく、奇跡の「新時代塗装」倶楽部を主催している。
お家を長く保つアドバイスを、分かりやすくお伝えします。
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