近年では、太陽光パネルを設置した住宅が増え、よく見かけるようになったと感じている人もいるでしょう。設置費用はかかりますが、費用の回収や副収入も期待できます。また、環境に優しい発電ということもあり、これからも設置する住宅が増えていくことでしょう。ここでは、そんな太陽光パネルを設置した際、メンテナンスのときなどに塗装はできるのか、塗装をする際の注意点などを解説します。
目 次
なぜ太陽光パネルを設置する住宅が増えているの?
最近では温暖化の影響もあり、世界的にCO2(二酸化炭素)の排出量が問題視されています。
企業だけでなく個人レベルでも環境への問題意識が高まり、住宅で発電可能な太陽光パネルを設置する人が増えました。
太陽光発電で余った電力は電力会社が買い取るという仕組みも、太陽光パネルを設置する人が増えている理由の一つでしょう。
1993年に販売が始まり、2000年ごろには設置する住宅も増えました。
2006年には補助金制度が廃止になったことで需要も減りますが、2009年に補助金が復活して人気を集めることとなります。
2014年に補助金制度が廃止されていますが、それでも需要は伸び続けているのが現状です。
国による補助金がなくなっても、各自治体で補助金制度を用意しているところはあります。
太陽光パネルは価格が徐々に下がっていますし、電気代を節約できる点も魅力です。
ネットでは固定価格での売電ができなくなる「2019年問題」を見かけることがありますが、2019年以降に設置したとしても買い取り制度を活用することが可能です。
太陽光発電の流れと政策
1993年:住宅用の太陽光パネルが販売される
1994年:国の補助金制度が始まる
1998年:今まで補助の対象を4KW~5KWとしていたが最大10kwまで広げる
2006年:太陽光パネルが価格低下してきたため補助金が廃止される
2009年:補助金が復活する(24円/kWhから48円/kWhへと売電価格を設定)
2011年:東日本大震災で太陽光発電の需要が高まる
2012年:全量買い取り制度が始まる(住宅でも10kW以上あれば電力を買い取る)
2014年:補助金制度が廃止される
2016年:売電価格の全面自由化、ZEH支援事業始まる
太陽光パネルは屋根と一体型のタイプもあれば、架台を屋根に取り付けてから設置するタイプもありますが、どちらでも塗装をすることは可能です。
ただ、設置のタイプや家の状況によって塗装の仕方が異なります。
01 設置前のケース
これから太陽光パネルを設置しようかと考えているタイミングなら、普通に屋根の塗装をしても大丈夫です。
ただ、設置するために十分な強度があるかを確認することが大切です。
メーカーによっては野地板が12mm以上と決めているところもあるので、事前に確認をしましょう。
02 すでに設置をしている屋根をすべて塗装するケース
雨漏りなどの理由で塗装を考えている人もいるでしょう。
太陽光パネルを外して屋根修理をする必要があるのなら、この機会に屋根全体の塗装を済ませることをおすすめします。
また、全体的にきれいに塗装をしたいという人も、パネルは外しての塗装が必要です。
太陽光パネルを着脱するには20万円以上の費用は必要なので、このタイミングで屋根のメンテナンスも一緒に済ませておくことをおすすめします。
03 パネルは外さずに塗装をするケース
屋根塗装では、必ず太陽光パネルを外さなければいけないと思っている人もいるかもしれません。
しかし、外すことなく塗装をすることは可能です。
実際に、太陽光パネルがない箇所だけを塗装して欲しいという依頼を受けることもあります。
ただ、この方法では、どうしても設置個所と塗りなおしをした箇所のムラがでます。
なので、設置前や雨漏りなどでパネルを外したタイミングで塗装するのが最適なタイミングです。
しかし、太陽光パネルは耐用年数が17年と定められ、この年数を基準に屋根のケアをすると屋根材が劣化して雨漏りなどのトラブルも起きやすくなります。
パネルの設置個所は太陽光の影響を受けにくいので、劣化が進みにくいです。
なので、一度は設置したままでの塗装も良いでしょう。
パネルの扱い方を知ろう
太陽光パネルを外さなくても塗装をすることは可能です。
ただ、パネルの扱い方を知らないことでトラブルを引き起こすこともあります。
屋根塗装をするときには、事前に太陽光パネルに対しての知識を深めておくことが大切です。
1.別業者に依頼をすると保証はどうなる?
一般的に、屋根の修理や塗装は、太陽光パネルの設置業者とは別の業者に依頼するケースが多いです。
別業者に依頼をしたからといって太陽光パネルの保証期間が切れることはないですが、別業者がパネルを壊した場合には保証が切れることがあります。
なので、屋根の修理や塗装を別業者に依頼するときは、まずは太陽光パネルの設置業者に保証について確認をします。
そして、別業者には施工前と施工後の写真を残すようにと依頼をしましょう。
2.塗装業者といっても太陽光パネルについて知らないこともある
塗装業者に依頼をしておけば問題ないと思いがちですが、業者によっては太陽光パネルに対して知識が乏しいこともあります。
業者スタッフがパネルの上に乗って破損させるケースもあるので、事前にどのような作業をするのかを確認しておくことも大切です。
3.高圧洗浄には注意
塗装業者では、塗装前に屋根の汚れを高圧洗浄で落とすことがあります。
このときに、太陽光パネルも一緒に洗浄して欲しいと依頼する人もいるかもしれません。
しかし、高圧洗浄では水道水を使うため、パネルにカルキが付着して性能が低下することもあるので注意しましょう。
屋根材の防水紙は20~30年が耐用年数です。
太陽光パネルは17年が法定耐用年数となっています。
ただ、これは減価償却期間の年数なので、実際には約20~30年は使用可能です。
家を建ててから10年目で塗装をしたなら、20年目は太陽光パネルは点検程度で済ませて屋根の塗装をするとよいでしょう。
ただ、25年以上も経過してから屋根の塗装をする場合には、太陽光パネルの交換なども同じタイミングで考える必要があります。
なので、屋根の塗装と太陽光パネルの交換のタイミングを考慮しながらメンテナンスをすることが大切です。
屋根の塗装で雨漏りを防げるわけではない!
太陽光パネルを取り外すタイミングで屋根塗装をするのがベストですが、設置した状態での塗装も可能です。
ただ、太陽光パネルはとてもデリケートで、このことを知らない塗装業者に依頼すると想定もしていなかった問題が発生することがあります。
屋根の塗装さえ済ませれば、屋根の修理もできると思っている人もいるかもしれません。
しかし、屋根の塗装は屋根材の耐久性を高めたり外観を良くしたりする効果があるだけで、雨漏りを防ぐ効果があるわけではないです。
太陽光パネルのことで分からないことがある、専門家に相談したいと思ったときにはお気軽に「サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス)」にご相談ください。
専門スタッフが適切な方法をご提案いたします。
パネルが設置した住宅での塗装工事
家を建てて10年目に初めての屋根塗装のご依頼を受けました。
点検時の状態
太陽光パネルによって屋根の大半を占めている状態で、スレートの露出部分は約24平方メートルです。
今回のご依頼は、パネルを外さずに塗装をするということでしたので、屋根に付着したホコリなどを取り除くための高圧洗浄は、パネルに水道水をかけないように慎重におこないました。
雨漏り防止にタスペーサーを差し込みます。
その後に、塗料がパネルに付着しないように養生をした上で、ハケやローラーを使って作業をおこないます。
状態は各家によって異なるので、どこまで塗装が可能かは現場によって違ってきます。
雪が多い地域では、パネルに積もった雪対策に雪止め金具を設置するケースが多いです。
現在設置していない場合で、雪止めの設置を考えている方もお気軽にご相談ください。
まとめ
・太陽光パネルはこれからもさらに需要が伸びると予想されています。
・パネルの設置状態によって屋根塗装での注意点も変わってきます。
・パネルに水道水が付着するとカルキで機能低下をおこすことがあります。
・2回目の屋根塗装は太陽光パネルの耐用年数も考慮しておこないましょう。
・塗装を依頼するなら太陽光パネルの知識がある業者を選びましょう。
・サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス)ではさまざまな注意点を考慮した上での屋根塗装が可能です。
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「著者情報」
関裕一
東京都足立区出身 1級外壁・屋根調査士・ドローンパイロット
サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス) 最高技術責任者
18歳から塗装職人として2.250件以上の施工に携わる。
塗装業界の歪んだ構造を塗り替えるべく、奇跡の「新時代塗装」倶楽部を主催している。
お家を長く保つアドバイスを、分かりやすくお伝えします。
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