目 次
■工事のきっかけを伺いました
足立区本木のお客様より、雨漏りについてのご相談をいただきました。
築40年経過した建物は全体的に劣化していましたが、将来的にはリフォームをする予定があるので、今回はひとまず雨漏りしている箇所だけを修繕してほしいとのことでした。
早速、点検に伺いました。
雨漏りが発生しているのは屋根のパラペット部分でした。
パラペットの笠木と棟の取り合い部から水が入り込んでいるようです。
今回は、笠木の交換・パラペットの防水工事をご提案いたしました。
今回の工事の基本情報
施工内容:笠木の交換・防水工事
築年数:40年
施工期間:2日間
■点検で雨漏りの原因を突き止めます
10年前に屋根の葺き替え工事をおこなっており、いままで雨漏りはなかったそうです。
画像は、雨漏りが起こっているお部屋です。
天井、壁、柱に雨染みが確認できます。
特に、お部屋の軒側部分の雨染みが目立っていますね。
小屋裏の様子。
木材は腐食していませんでしたが、雨水が流れた跡が確認できます。
葺き替え工事前のものか後のものかはわかりませんでした。
外から見たお家の様子。
パラペットが設置されていますね。
雨漏りが起こっているお部屋は、このパラペットの下にあり、雨漏りの原因はパラペットの可能性が高いようです。
お客様のお家はもともと、瓦屋根でした。
10年前におこなわれた葺き替え工事で、瓦屋根から立平葺き屋根にされたそうです。
立平葺きは、棟から軒まで一体となった屋根ですので、雨漏りはしにくいといわれています。
一方で、パラペットは雨漏りしやすい箇所のひとつです。
こちらのお家は軒先のパラペット雨が直接当たるような構造になっており、この部分に雨水が入り込んでいるかもしれません。
屋根に上っての点検の様子。
笠木部分を調べてみると、釘が抜けてしまっている部分がありました。
板金とシーリングだけの柱部分からも、水が入り込んでいる可能性があります。
今回は、この笠木部分の交換とパラペット部分の防水処理をおこないます。
工事をはじめるまでの応急処置として、養生シートで覆っておきましょう。
■工事開始:パラペット部分に防水シートを敷設します
パラペット部分の防水工事をおこないます。
壁面の波板を外し、状態を確認します。
笠木を外すと、雨染みができていました。
またパラペット立ち上り部分には、穴が空いています。
ここは雨水が直接当たるので、雨漏りしやすい部分です。
お部屋の雨漏りは、この部分からのものでしょう。
パラペット内壁と笠木部分に透湿防水シートを敷いていきます。
笠木の下地には、粘着タイプの防水シートを使用しています。
防水シートの上に、コンパネで笠木の下地を取り付けます。
水が入り込まないように、防水テープでしっかりと固定しました。
■笠木の交換をおこないます
防水シートを敷いたら、笠木に板金を設置します。
板金は、ガルバリウム鋼板を使用しています。
以前より折下げを多くすることで、吹き込みによる浸水に強くなりました。
あらたな板金は、サイドにビス打ちして固定しています。
ビスには、パッキンが付いています。
隙間をなくすことで、防水効果も抜群です。
つなぎ目にはシーリングし、防水効果を高めています。
■工事が完了しました
工事が完了した、パラペット部分の様子。
これで、雨漏りの心配はありませんね。
パラペット部分は、雨漏りしやすいので、定期的なメンテナンスをおこなうことをおすすめします。
屋根プロ110番の雨漏り駆けつけ隊では、笠木やパラペットのように部分的な雨漏り補修工事も承っております。
「一部分だけの工事でも大丈夫?」と不安に思われている方も、お気軽にお問い合わせくださいませ。
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「著者情報」
関裕一
東京都足立区出身 1級外壁・屋根調査士・ドローンパイロット
サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス) 最高技術責任者
18歳から塗装職人として2.250件以上の施工に携わる。
塗装業界の歪んだ構造を塗り替えるべく、奇跡の「新時代塗装」倶楽部を主催している。
お家を長く保つアドバイスを、分かりやすくお伝えします。
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