目 次
■工事のきっかけを伺いました
足立区加賀のお客様より、雨漏りについてのご相談をいただきました。
きっかけは、押し入れの天井に見つけた雨染み。
すぐに点検に伺い、詳しく調査しました。
ビス釘の施工不良で釘穴に隙間ができ、雨水が入り込んだことによる雨漏りだとわかりました。
お客様はすぐに修理してほしいとのことでしたので、今回はビス釘を打ち直し、コーキング処理して応急処置をおこないました。
今回の工事の基本情報
施工内容:雨漏り応急処置
施工期間:1日間
築年数:50年
■点検で雨漏り箇所を特定
点検時の押し入れの天井の様子。
かなりはっきりとした、雨染みが見られます。
強い雨が降ると、雨染みだけでなく、雨水が滴ってくるそうで、雨受けのバケツが置いてありました。
・赤外線カメラで撮影した室内の様子
赤外線カメラで撮影した画像です。
青い部分が温度が低いところで、雨漏り箇所であると特定できます。
室内の角が青いということで、屋根の端部分の雨漏りであることがわかります。
・勾配のほどんどない屋根
屋根に上ってみると、屋根の勾配はほとんどありませんでした。
しかし、板金屋根で施工されていました。
使用する屋根材は、屋根の勾配と関係しています。
通常、勾配のない屋根には板金屋根は施工しません。
陸屋根を採用するのがベターです。
陸屋根とは、勾配のない平らな屋根のことです。
陸とは水平の意味で使われ、平屋根ともいいます。
逆に、勾配のある屋根は勾配屋根とよばれます。
陸屋根を採用した場合、屋根は屋上にすることも多いです。
屋上にした場合、防水加工を施すことで、雨から住宅を守ります。
・屋根の状態を詳しく調査
屋根に上っての点検の様子。
屋根の上で、雨水が溜まっています。
雨水は、軒先の雨樋に排水されなければいけません。
しかし屋根に勾配が無いために、スムーズに排水されず、水が溜まってしまっていました。
屋根材は、ビス釘で固定されていました。
普通、このような固定方法はおこないません。
ちょうど雨水が溜まっているとことに、ビス釘が打ち込まれています。
このビス釘はコーキングボンドで防水処理されていましたが、コーキングが劣化しており、ひび割れが起こっていました。
このひび割れから隙間ができ、雨水が入り込んでしまっていたようです。
片棟板金の様子。
屋根の奥には建物の外壁があり、こちらは片棟板金で施工されていました。
片棟板金を詳しく見てみると、固定していた釘が外れていました。
固定されていないので、このままですと、板金が飛ばされてしまう危険があります。
玄関屋根の様子。
こちらの屋根にも、雨水が溜まっていました。
屋根に隙間があり、そこから玄関上に流れていました。
■応急処置工事開始:コーキングボンドでビス釘頭に充填
工事前の屋根の様子。
屋根の上に雨水が溜まっていたと思われる、雨水の跡が見られますね。
今回は、ビス釘の補修で、応急処置をおこなっていきます。
勾配の無い屋根に、無理やりビス釘を打ち付けていたこともあり、屋根の取り付け角度によって、雨漏りしやすい状態でした。
コーキングボンドが劣化してしまった結果、雨漏りしてしまいました。
充填するコーキングボンドの量も、少なかったようです。
ビス釘が見えなくなるくらい、たっぷりの量を塗って、釘穴を埋めます。
これで、雨水が入り込む隙間を、完全にカバーすることができます。
屋根の接合部にも、コーキングボンドを塗りました。
反対側の屋根にも、雨染みが見られました。
こちらも同様に、コーキングボンドで釘穴を埋めていきます。
コーキングボンドを塗る前に、雨水が溜まっていた箇所は、しっかりと水分を取り除いています。
もし水が残っていると、コーキングボンドの効果がなくなってしまいますので、注意が必要です。
釘穴をしっかり埋めて、板金屋根の雨漏り応急処置が完了しました。
■片棟板金のビス釘部分も補修
建物の奥スレート屋根の片棟板金の釘穴も、補修していきます。
釘が抜けているのが、確認できますね。
釘が抜けているところは、あらたに釘を打ち込んで固定力をアップさせます。
釘が抜けていた箇所に、あらたなビス釘を打ち込みます。
固定釘が抜けていない箇所は、その横にビス釘を打ち込み、固定力をアップさせます。
抜けていない場合は、無理に抜くことはしません。
無理に抜くと、片棟板金がへこんでしまうこともあります。
打ち込んだビス釘の上から、コーキング処理をおこないます。
抜けていた釘穴には新たに打ち直し、しっかりとコーキングボンドを塗り、応急処置はすべて完了です。
雨漏り調査と修理なら、屋根プロ110番の雨漏り駆けつけ隊におまかせください。
もちろん、雨漏りの応急処置も承ります。
すぐに点検に伺い、応急処置をおこないますので、雨漏りを見つけたら、まずはお気軽にお問い合わせくださいませ。
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「著者情報」
関裕一
東京都足立区出身 1級外壁・屋根調査士・ドローンパイロット
サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス) 最高技術責任者
18歳から塗装職人として2.250件以上の施工に携わる。
塗装業界の歪んだ構造を塗り替えるべく、奇跡の「新時代塗装」倶楽部を主催している。
お家を長く保つアドバイスを、分かりやすくお伝えします。
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