足立区西新井で雨漏り発生、劣化した越屋根部分の葺き替え工事をおこないました
- 1級外壁・屋根調査士 関裕一
- 2023年8月3日
- 読了時間: 6分
更新日:2024年1月14日

目 次
■工事のきっかけを伺いました

足立区西新井のお客様より、雨漏りについてのご相談をいただきました。
きっかけは、天井にできた雨染み。
すぐに点検に伺い、調査しました。
築120年、歴史を感じる住宅で、現在ではめずらしい越屋根が設置されていました。
雨漏りはこの越屋根で発生していることがわかりましたので、今回は越屋根の部分葺き替え工事をご提案いたしました。
今回の工事の基本情報
施工内容:屋根部分葺き替え工事
施工期間:11日間
築年数:120年
■点検で雨漏り箇所を特定

点検時の屋根裏の様子。
野地板部分が損傷しており、穴が空いていました。
この穴から、屋根裏に雨水が入り込んでいるようです。
垂木の腐食も見られました。

屋根に上っての点検の様子。
今回ご依頼いただいた住宅は、築120年という大変古い建物です。
屋根にも風格を感じます。
越屋根(こしやね)のある屋根です。
越屋根は、伝統的な建築物にも採用されており、採光や換気の役割があります。
屋根の上に屋根がある、という感じでしょうか。
現在の住宅でいうと、天窓にあたります。

室内から越屋根を見た様子。
明るい光が差し込んできます。

古い住宅ですので、これまでにもメンテナンスをおこなってきた形跡が見られます。
1列だけ、色味の違う瓦が取り付けられている箇所もありました。
年代が違うので、色味も違ってきます。

ところどころ、瓦がズレている箇所もありました。
古い瓦は経年による劣化で、このように破損してしまいます。

ひび割れが起こっている瓦もありました。
ひび割れから雨水が入り込み、雨漏りを引き起こす可能性があるので、ひび割れた瓦は補修しなければなりません。
コーキング補修された瓦も見られました。

鬼瓦がなくなっていました。
鬼瓦は、瓦屋根の棟の端に取り付けられているもので、魔除けや装飾の意味があります。
現在では、あまり見かけませんね。
点検後、屋根の状態を撮影し、お客様にご報告させていただきました。
今回は、雨漏り箇所である、越屋根部分の屋根列を一部葺き替える工事をおこなうことになりました。
■工事開始:足場の架設

敷地内の空いているスペースに、足場を架設して作業をおこなうことになりました。
周りの木や草花を傷つけないように、ていねいに作業をしていきます。

足場を組んでいる様子。
足場の架設は、2人1組でおこないました。
サイズなどを正確に測り、しっかりと組んでいくことが大切です。

今回の工事では、足場内に階段を組み込みました。
これで、職人がスムーズに昇降できます。
資材や作業道具などを運ぶときも、安全性が確保できます。
足場を設置するスペースが広い時は、このように階段を設置することができますが、狭い場合は階段無しで、足場を組みます。
■瓦を撤去します

越屋根の横幅の部分の葺き替え工事です。

葺き替える範囲の瓦を撤去します。

作業中に使用する、運搬用のハシゴを設置しました。
撤去した瓦を運ぶのも、スムーズになります。

撤去した瓦を、ハシゴを使って、下に降ろしていきます。
瓦が落ちてしまわないように、きちんと重ねてハシゴに乗せています。

葺き土や杉皮も、きれいに掃除しておきます。
杉皮について詳しく!
杉皮は、築年数の古い建物において、防水紙の代わりに使われていた、天然素材の下葺き材です。
昔の家は、天然素材だけで構成されていました。
野地板の隙間から、小屋裏の空気が抜け、家全体が呼吸しているような建物だったのです。
現在は、気密断熱住宅が基本なので、杉皮ではなく、高機能な防水紙(ルーフィング)が使われ、雨からお家を守っています。
古民家などでは、まだまだ杉皮を使用している、自然派の住宅も多いと思います。

瓦、葺き土、杉皮などを撤去した様子。
ゴミやほこりなども取り除き、きれいになりました。
野地板だけの状態です。
野地板には、損傷している部分がありました。
この部分から、雨水が入り込み、雨漏りが発生したと思われます。
■あらたな野地板・防水紙を取り付けます

あらたな野地板を取り付けます。
軒先から越屋根まで、全体に取り付けていきます。
既存の野地板の上に固定することで、屋根の強度もアップします。
野地板に使用したのは、合板です。

野地板の設置後、あらた防水紙(ルーフィング)を敷いていきます。
これで、防水処理がしっかりとできました。
■越屋根部分の屋根を葺き替えます

あらたな瓦を葺いていきます。
まずは瓦を仮に取り付けて、高さなどが正しいか確認します。
確認後、瓦を取り付けていきます。

越屋根の部分の瓦をすべて取り付けた様子。

葺き替えた部分と、既存の屋根部分には、隙間ができてしまいます。
この隙間をふさぐために、冠丸瓦を取り付けます。
瓦の接着と高さ調整の役割がある、漆喰を塗って、取り付けました。
使用しているのは、南蛮漆喰です。
強度と耐久性に優れており、防水効果もアップします。

軒先から越屋根の上段まで、丸冠瓦を取り付けた様子。

丸冠瓦の釘穴にコーキングボンドを充填し、防水処理を施しました。

越屋根の壁際と屋根の境い目部分に、漆喰を塗っていきます。
これで、雨水が入り込むのを防ぐことができます。
■越屋根の壁際部分に水切り板金を設置します

越屋根の壁際部分に、水切り板金を設置しました。
この水切り板金には、壁際を流れる雨水を、スムーズに外側に排水する役割があります。
しっかり奥まで設置することで、建物の内部に水が入り込むのを完全に防ぎます。

水切り板金のつなぎ目部分には、コーキングボンドを塗り、防水処理をおこないました。
■鬼瓦部分の補修をおこないます

なくなってしまった鬼瓦部分も補修していきます。
のし瓦が、ズレていました。
鬼瓦がないことで、重力によりズレ落ちてきているようです。

のし瓦がズレないように、鬼瓦部分に漆喰を塗りました。
ていねいに成形し、フラットな形状に仕上がりました。
■工事が完了しました

資材や作業道具を片付け、屋根の清掃をおこない、すべての工事は完了です。
葺き替えた屋根の状態を撮影し、お客様に工事完了のご報告をさせていただきました。
「これで雨漏りの心配もなくなり、よかったです。」
と、ご満足いただけました。
雨漏り調査と修理なら、屋根プロ110番の雨漏り駆けつけ隊におまかせください。
今回のように、部分的な葺き替えも承っております。
雨漏りが発生したら、お早めにご相談ください。
すぐに点検に伺い、お客様のお家の状態に最適な雨漏り修理をご提案いたします。
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「著者情報」
関裕一
東京都足立区出身 1級外壁・屋根調査士・ドローンパイロット
サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス) 最高技術責任者
18歳から塗装職人として2.250件以上の施工に携わる。
塗装業界の歪んだ構造を塗り替えるべく、奇跡の「新時代塗装」倶楽部を主催している。
お家を長く保つアドバイスを、分かりやすくお伝えします。
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