目 次
■工事のきっかけを伺いました
足立区南花畑のお客様より、屋根についてのご相談をいただきました。
きっかけは、訪問業者だそうです。
「屋根の状態が劣化しているので、工事をしたほうがいい。」と言われ、不安になり、当社にお問い合わせをいただきました。
点検に伺い、屋根の状態を確認したところ、屋根の漆喰が劣化し、黒ずんでいました。
漆喰が劣化すると、防水効果が低下し、雨水が入り込んでしまうので、そうなる前に漆喰の詰め直し工事をご提案いたしました。
今回の工事の基本情報
施工内容:漆喰詰め直し工事
施工期間:10日間
築年数:30年
■点検で屋根の状態を確認
点検時の壁際の屋根の様子。
雨水が通る場所ということもあり、ほかの部分より劣化が早い箇所です。
のし瓦の黒ずみが見られます。
この部分に黒ずみができる原因としては、雨水が流れたときに生じるほこりなどのほか、のし瓦の内側から発生した灰汁(アク)があります。
灰汁は表面的な汚れではなく、漆喰の内部の汚れです。
屋根の内部に雨水が入り込んでいる可能性があります。
隅棟部分の漆喰の状態。
黒ずみだけでなく、穴が空き、損傷している箇所もあります。
屋根の漆喰は遠くから見ると、一見なにも劣化していないように見えますね。
しかし、詳しく調べると、黒ずみなどの劣化がはっきりとわかります。
鬼瓦付近の漆喰の状態。
漆喰に穴が空いていました。
このままですと、漆喰が剥がれてしまいます。
屋根のてっぺんなので、太陽光や風雨の影響をかなり受ける部分です。
その分、劣化の進行も早くなります。
巴瓦の漆喰も劣化し、黒ずんでいます。
風雨が直接当たるので、劣化も激しいです。
同じように漆喰が塗られていたはずですが、劣化の進行具合が違っているのがわかりますか。
長年の風雨や太陽光の当たり方によって、劣化の状態も違ってくるのです。
点検の結果、屋根漆喰の劣化の状態を撮影し、お客様に点検の結果をご報告いたしました。
今回は、劣化した屋根漆喰の詰め直しをおこなうことになりました。
■漆喰の詰め直し工事とは?
「漆喰の詰め直し」とは、古くなった漆喰を撤去し、あらたな漆喰を塗っていくという工事です。
漆喰の防水機能が低下すると、屋根内部に雨水が入り込み、雨漏りにつながってしまいます。
ですので、劣化して損傷してしまう前に、定期的な漆喰のメンテナンスが必要です。
だいたい15年~20年で、メンテナンスをおこなうことで、長持ちする屋根となります。
既存の漆喰をそのままに、その上に漆喰を塗っていく工法「漆喰の詰め増し」もあります。
しかし、「漆喰の詰め増し」は、古い漆喰が剥がれると、あらたな漆喰も剥がれ落ちてしまいます。
漆喰のメンテナンスには、「漆喰の詰め直し」がおすすめです。
■棟部分の漆喰の詰め直し
棟の漆喰は黒ずみ、破損している箇所もありました。
まずは、棟部分から漆喰の詰め直し工事をおこなっていきます。
棟の漆喰について
大棟や隅棟の漆喰は、半月のようなデザインです。
半月漆喰とも、呼ばれます。
隅棟の漆喰も黒ずみ、剥がれも見られましたので、漆喰の詰め直しをおこないます。
隅棟は、雨水が流れてきますので、劣化しやすい箇所です。
雨水とともに、ほこりなども付着し、黒ずみもつきやすくなります。
屋根の形状は、屋根面が4方向に傾斜している、寄棟屋根というスタイルでした。
大棟と隅棟の接続部分は、三又部といいます。
雨水が流れ、劣化しやすい箇所で、漆喰の損傷が見られましたので、この部分にも漆喰の詰め直しをおこないました。
三又部を、正面から見たところです。
雨水が直接当たる箇所ということもあり、劣化が激しく、漆喰が剥がれ、穴が空いているような状態でした。
また、液だれも見られました。
付着した液だれは、拭いても取り除くことはできません。
棟違いという、独特な形状の棟の漆喰の状態です。
同じ場所の漆喰でも、太陽光の当たり方や風向きなどで、劣化の度合いが違っていました。
両方とも、漆喰詰め直しをおこないました。
棟しまい部分は、大きめに漆喰を成形することで、完全に雨をシャットアウトできます。
■壁際の漆喰の詰め直し
下屋の壁際部も、漆喰詰め直しをおこないました。
*壁際部:外壁と屋根瓦の取り合い部分
屋根と平行になっている、平行壁際です。
こちらは棟と同様に、半月漆喰で仕上げました。
工事後の状態を撮影し、お客様に工事完了のご報告をいたしました。
「きれいに仕上がりましたね。雨漏りの心配もなくなり、よかったです。」
と、ご満足いただけました。
サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス)では、屋根の漆喰工事も承っております。
屋根の漆喰の詰め直しをおこなえば、瓦屋根はさらに長持ちしますよ。
屋根のメンテナンスについても、お気軽にお問い合わせくださいませ。
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「著者情報」
関裕一
東京都足立区出身 1級外壁・屋根調査士・ドローンパイロット
サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス) 最高技術責任者
18歳から塗装職人として2.250件以上の施工に携わる。
塗装業界の歪んだ構造を塗り替えるべく、奇跡の「新時代塗装」倶楽部を主催している。
お家を長く保つアドバイスを、分かりやすくお伝えします。
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