目 次
■工事のきっかけを伺いました
足立区柳原のお客様より、雨漏りについてのご相談をいただきました。
平屋建ての住宅で、雨漏りしているとのことでした。
すぐに点検に伺い、調査したところ、屋根の隅棟部分の不具合から雨漏りしていることがわかりました。
通常3段積みされるはずの隅棟ですが、2段積みで施工されていたのです。
今回は、隅棟の葺き直し工事で雨漏りを解決します。
今回の工事の基本情報
施工内容:屋根一部葺き替え工事
施工期間:4日間
築年数:30年
■点検で屋根の状態を確認します
点検時の隅棟の様子。
2段積みで、仕上げられているのがわかります。
のし瓦が2段、冠棟瓦が1段積まれている施工で、築年数の古い住宅ではよく見られます。
積む段数が少ないと、雨水が入り込みやすくなってしまいます。
通常、寄棟屋根の隅棟部分は、のし瓦3段、冠棟瓦1段で施工されています。
1段少ないということは、棟の内部に雨水が入り込みやすくなり、雨漏りのリスクも高まります。
今回は、隅棟の葺き直し工事で、雨漏りを解決します。
既存の隅棟を解体し、積み直していきます。
1段多くなるので、必要になる新しい瓦を、あらかじめメーカーから取り寄せることになりました。
のし瓦を1段増やすだけなのに、なぜすべて解体するのでしょうか。
原因は、のし瓦の角度にあります。
角度が落ちていることで、雨漏りが発生していますので、きちんと積み直しをおこない、正しい位置に戻す必要があります。
そうすることで、雨水の侵入をしっかりと防ぐことができます。
■工事開始:隅棟を解体します
既存の隅棟を上から、1段ずつ解体していきます。
隅棟を施工する際に、使われていた葺き土も取り除きます。
撤去した葺き土は、土嚢袋に入れて地上に降ろしました。
隅棟の葺き直しをおこなう前に、屋根の清掃をして、きれいな状態にしておきます。
葺き直し工事で、土台となる葺き土を設置していくときに屋根上が汚れていると、しっかりと接着することができなくなります。
下準備として、掃除しておくことは大切です。
■隅棟の葺き直しをおこないます
まずは、隅棟の土台となる、葺き土と屋根漆喰を塗ります。
1段目の、のし瓦から取り付けていきます。
隅棟が崩れてしまうのを防ぐために、のし瓦の間に針金を用意しておきます。
棟瓦を取り付けるときに、この針金で固定します。
あらたなのし瓦を積み上げます。
これで、3段ののし瓦になりました。
1段ずつ、幅を狭めて、つなぎ目位置をずらしながら、積み上げることで、雨水の侵入を防ぎます。
最後に、のし瓦の上に冠棟瓦を取り付けます。
さきほど、用意していた針金で、棟部分をしっかりと固定します。
針金を巻きながら、縛り上げ固定しました。
縛り上げる際には、慎重におこなっていく必要があります。
あまり強く縛り上げてしまうと、隅棟が崩れてしまいます。
葺き土が、まだ固まっていないからです。
■工事が完了しました
資材や作業道具を片付け、屋根の掃除をおこない、全ての工事は完了です。
これで、雨漏りも解消です。
しっかりと修繕された隅棟の様子を撮影し、お客様に工事完了のご報告をいたしました。
「これで雨漏りもなくなり、ホッとしました。」
とお客様にも、ご安心いただきました。
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「著者情報」
関裕一
東京都足立区出身 1級外壁・屋根調査士・ドローンパイロット
サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス) 最高技術責任者
18歳から塗装職人として2.250件以上の施工に携わる。
塗装業界の歪んだ構造を塗り替えるべく、奇跡の「新時代塗装」倶楽部を主催している。
お家を長く保つアドバイスを、分かりやすくお伝えします。
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