目 次
■工事のきっかけを伺いました
足立区綾瀬のお客様より、屋根についてのご相談をいただきました。
きっかけは、軒先の瓦のズレを見つけたこと。
瓦が落下してしまうかも、とご不安な様子でした。
築50年の瓦屋根の住宅です。
雨漏りは発生していないそうですが、瓦のズレは雨漏りにもつながりますので、すぐに点検に伺い、屋根の状態を調査いたしました。
築50年ということで、瓦はかなり劣化していました。
瓦のズレ、欠けも屋根のあちこちで見られました。
屋根の下地も損傷しているようでしたので、屋根の葺き替え工事をご提案いたしました。
今回は、耐震性の高い防災瓦を使用した、瓦屋根の葺き替え工事をご紹介します。
今回の工事の基本情報
施工内容:屋根葺き替え工事
使用材料:葺き替え工事:防災瓦(カラー銀鱗) / 野地板:針葉樹合板 / 防水紙:ゴムアスファルトルーフィング / 瓦桟:エコランバー瓦桟 / 棟板金:カラーステンレス板金 / 漆喰工事:南蛮漆喰シルガード
築年数:50年
■点検で瓦屋根の状態を確認
点検で、屋根の状態を確認します。
お客様が気にされていた軒先部分を下から確認したところ、やはり瓦のズレが見られました。
屋根に上って、瓦の状態をくわしく調査していきます。
南側の屋根の状態です。
お客様からご相談のあった、軒先の瓦がズレているのが確認できました。
かなり大きなズレですね。
欠けている瓦やワイヤーで補修固定されている箇所もありました。
北側の屋根の状態です。
北側の屋根の瓦もズレが見られました。
とくに軒先の瓦は大きくズレており、瓦の飛散の危険もあります。
また屋根の上を歩いたときに、一部で沈み込むような、ふわふわとした感じがしました。
屋根の下地が、痛んでいると考えられます。
腐食している可能性が高いです。
このままでは、雨漏りにつながってしまうかもしれません。
棟の状態です。
のし瓦がズレていました。
また、棟瓦を固定するためのワイヤーが切断されてしまっているのも確認できました。
放置すれば、台風など強風で、棟瓦が飛散してしまうかもしれません。
雨漏りが発生してしまう可能性もありますので、早急に工事をおこなう必要がありました。
点検の結果をお客様にご報告いたしました。
屋根全体に、瓦のズレが見られました
瓦の欠けや破損が複数箇所ありました
棟部分も損傷していました(瓦のズレ・ワイヤーの切断・漆喰の剥がれ)
屋根の下地の腐食の危険がありました
築50年ということで、屋根瓦の寿命を迎えていると思われます。
雨漏りは発生していないとのことですが、このままではいつ雨漏りしてもおかしくない状態です。
点検の結果、瓦の劣化だけでなく、下地の腐食が考えられますので、屋根の葺き替え工事をご提案いたしました。
今回の葺き替え工事では、耐震性に優れた防災瓦を使用することになりました。
■葺き替え工事開始:足場の架設
まずは足場の架設をおこないます。
■古い瓦、防水紙を撤去します
古い瓦を撤去している様子。
きれいに並べながら取り外すことで、作業効率も高まります。
古い瓦を撤去すると、下地が見えてきました。
軒先部分の防水紙はとくに劣化が激しく、濡れてしまっていました。
そして雨樋には詰まっており、排水が滞っている状態でした。
瓦桟も劣化し、触るだけでぽろぽろと崩れてしまいました。
*瓦桟(かわらざん):瓦を固定するために下地に取り付ける建材
劣化していた防水紙と瓦桟を撤去した様子。
腐食した木くずなどもすべて取り除き、きれいに掃除しておきます。
■増し張りで下地の補強します
あらたに野地板を取り付けます。
古い野地板の上に取り付ける、増し張りをおこないました。
下地を補強する効果があります。
使用したのは、針葉樹構造用合板です。
■防水紙・瓦桟を取り付けます
防水紙を敷設していきます。
防水紙は、建物内部に雨水が入り込むのを防ぐ、大変重要なものです。
タッカーでしっかりと固定しました。
防水紙の上に、瓦桟を設置します。
瓦桟は木材を使用することが多いですが、樹脂製の瓦桟もおすすめです。
使用したのは、フクビの「エコランバー瓦桟」です。
樹脂製で、耐久性が高く、腐食の心配もありません。
従来の木材の瓦桟と同様に、カット加工や釘打ちすることもできます。
■谷板金を設置します
谷板金を取り付けている様子。
使用したのは、ステンレス製の谷板金です。
錆びにくく、耐用年数も長くなります。
■防災瓦で葺き替えをおこないます
瓦揚げの様子。
瓦揚げとは、瓦を屋根に上げることです。
スムーズに取り付けられるように、きれいに並べておきます。
そして、瓦を葺き替えていきます。
軒先から、棟に向かって瓦を取り付けていきます。
谷板金付近の瓦を、カット加工している様子。
取り付ける箇所によって、瓦をカット加工する必要があります。
谷板金は、画像のようにカット加工して設置しました。
■棟瓦を取り付けます
棟の設置の様子。
棟金具・棟木を取り付けていきます。
棟に漆喰を塗っていきます。
使用したのは、南蛮漆喰シルガードです。
一般的な漆喰よりも高機能で、防水性・耐久性にも優れ、長持ちします。
ホワイトとブラックがありますが、今回はブラックを使用しています。
ブラックも、時間の経過とともに白くなっていきます。
棟瓦を取り付け、全ての工事は完了です。
■工事が完了しました
今回の葺き替え工事に使用した屋根材は、鶴弥の「防災瓦」です。
通常の瓦より軽量で、耐震性も抜群。
地震や台風がきても、安心です。
カラーは、銀鱗をお選びいただきました。
クールなカラーリングで、高級感のある仕上がりになりました。
「きれいな屋根になりましたね。これで不安なく過ごせます。」
と、お客様にもご安心いただきました。
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「著者情報」
関裕一
東京都足立区出身 1級外壁・屋根調査士・ドローンパイロット
サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス) 最高技術責任者
18歳から塗装職人として2.250件以上の施工に携わる。
塗装業界の歪んだ構造を塗り替えるべく、奇跡の「新時代塗装」倶楽部を主催している。
お家を長く保つアドバイスを、分かりやすくお伝えします。
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