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工事のきっかけはこうです!
「下屋(1階)部分の雨樋が、雨の多い日は、上手く排水されずに、水が樋の途中で溢れて、滝のように流れ落ちてしまい、困っています。」と、川口市、並木元町にお住いの、A様からお問い合わせを頂きました。
雨が降る度に、雨水が流れる音が、煩くて気になっていたのだけれど、工事の機会がなく先延ばしにしていたそうです。
考えられることは、雨樋に枯葉や落ち葉が詰まっていることです。
雨樋は、軒樋、集水器、竪樋など、幾つかのパーツを繋ぎ合わせて設置し、屋根から流れ落ちる雨水を受けて、上手く排水するようにできています。
もし竪樋が詰まっている場合は、樋の一部を切断して内部の掃除を行う必要があります。
早速、A様のお宅に伺って、雨樋の状態を見てみることにしました。
現地調査の様子です。

ちょうど、雨が降っている最中での現地調査となり、詰まりが確認しやすい状況でした。
集水器の脇から雨水が溢れ、流れ落ちていることから、竪樋が詰まっている様子です。
真上から、集水器の辺りを、確認してみました。詰まっている、木の小枝が確認できます。屋根に落ちた木の葉が、雨水に流されて雨樋を通って運ばれて、竪樋に流れ込んだ為に、竪樋の中が一杯に詰まっていることが考えられます。
間違いなく、竪樋の詰まりが原因で、排水不良を起こしている事が分かります。

針金で突いて、詰まりの状況を探ってみました。すると、軒樋で溢れていた水が、徐々に竪樋に吸い込まれて無くなるのが確認できました。
溜まっていた水はある程度は引きましたが、完全ではありません。
竪樋の奥の方は、詰まったままなので、また直ぐに、雨水が溢れ出すと考えられます。見える部分の掃除だけでは、詰まりの原因は解消しないのです。
竪樋の交換、もしくは途中で切断をし、掃除の後に繋ぎ合わせるという工事が必要になります。

竪樋を外して、清掃をしてからまた元に戻せばいいのでは!?と、思っていらっしゃる事でしょうけれど、実は樋は継ぎ目(ジョイント)部分を、水が漏れないように、しっかりと接着をしてあるのです。
それなのでキャップを外す様に、簡単に外して付け直す事は出来ないのです。
この場合は途中で切断して、内部の詰まりや汚れを掃除した後に、切断部分をつなぎ用の部材を使って接着し直すか、竪樋自体を新たに交換するかの、どちらかの方法になります。
もちろん、費用のことを考えると、切断して繋ぎなおす方が、安くて済みます。
今回の工事では、詰まりの箇所はある程度は明確に解っていたので、途中で切断して繋ぎ合わせる、脱着清掃で対応することに致しました。
こちらが、施工の工程です!

まずは、竪樋の内部の詰まっている箇所を、部分的に切断します。
切断したところから、詰まっていた原因の、落ち葉や泥などを取り除きます。
ご覧の通り、これでは雨水を通す隙間もなく、雨樋の役目は果たせません。枯葉などが流れ込み、そこに徐々に小さなゴミやほこりが引っ掛かり、蓄積してしまった結果です。
樋の詰まりの原因では、一番多いパターンです。

竪樋の内部をきれいに清掃した後は、切断した竪樋を元通りに戻す作業に入ります。切断した部分には、専用の部材を挟んだうえで、雨樋様の接着剤を使用して繋ぎ合わせます。
切断部分が、新たな雨漏れ箇所となっては意味がありませんから、丁寧な作業が必要とされます。
その後に、必ず軒樋から水を流し、確認作業をします。問題がなければ、雨樋の詰まりはこれで解消されました。
落ち葉除け用のネットを設置!

しかし、これで終わりにしてしまったら、また数年すると、同じように枯葉や落ち葉が詰まり、再び雨樋が詰まってしまうことになります。
A様のお宅のように、お住まいが庭木に囲まれている場所にある場合は、定期的にメンテナンスが必要になります。
そこで、今回の工事では、今後の対策と致しまして、落ち葉除け用のネットを設置いたしました。
その際には落ち葉の種類にも、配慮する必要があります。笹などの細い葉が多い場合は、より網目の小さいネットを活用します。
このネットを設置することで、メンテナンスに掛かる時間も、出費も削減できます。もちろん、詰まりのリスクも減ります。先々の安心も得られ、同じ心配を今後は、せずに済みます。

ネットは、軒樋、集水器といった上に、口を開けている箇所をカバーするように設置します。
樋のサイズに合わせて現場で職人の手によって加工をし、設置していきます。
風に飛ばされて飛んでいかないように、きちんと固定します。
設置後は、雨水の流れを想定し、水の流れ方、弾き方の試験を行い、問題がないことを確認します。

雨樋の脱着清掃と、落ち葉除けネット設置工事が、完了しました。
工事完了後にも、もちろん水が問題なく流れることを、お客様にもご確認いただくこととなります。
この度、工事のご依頼を下さったA様も落ち葉除けネット対策には、大変満足されておりました。
雨樋は、雨水を排水する、大事な役割を担っております。定期的に、建物全体を見渡し、雨樋に詰まりなどの異常がないかを、点検することを心掛けておくことを、お勧めします。
もし、今回のような、雨漏れなどの排水不良を見つけた場合は、お早めに専門の業者に相談をされるといいでしょう。
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「著者情報」
関裕一
東京都足立区出身 1級外壁・屋根調査士・ドローンパイロット
サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス) 最高技術責任者
18歳から塗装職人として2.250件以上の施工に携わる。
塗装業界の歪んだ構造を塗り替えるべく、奇跡の「新時代塗装」倶楽部を主催している。
お家を長く保つアドバイスを、分かりやすくお伝えします。
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