いつもは気にしない屋根は、だれでもリフォームや修理のタイミングの見極めが難しいです。
また、修理などをしようと思っても、どのくらいの料金になるのかと不安に感じる人もいるでしょう。
そこで、ここでは屋根の修理費用の相場やリフォーム業者の選び方についてこの業界のプロがお答えします。
目 次
瓦やスレートの修理は10年~15年を目安にしよう
雨漏りなどのトラブルが発生するとすぐにでも修理が必要ですが、そうでない場合は何年くらいでメンテナンスをするべきかと気になるところでしょう。年数は使っている素材によって異なりますが、瓦で10年~15年程度でする人が多いです。
このくらいの年数になると外壁塗装などの塗り替え時期にもなり、この外壁塗装では足場を組んで作業をすることになります。瓦の塗装や修理などでも足場が必要になるため、二度手間にならないようにと外壁塗装のタイミングで瓦の修理なども一緒にするケースが多いです。
陶器瓦や素焼き瓦では破損していなければ何十年ももつのですが、10年もすると色あせて古く感じますし、地震などでズレたり、漆喰の劣化によって防水機能が上手く働かないこともあります。そのため、瓦は10年~15年でのリフォームが必要になることが多いです。
屋根は瓦だけでなく、スレートや金属屋根もあります。スレートは定期的に塗装をする必要があり、タイミングは瓦と同じで10~15年です。ガルバリウム鋼鈑などの金属屋根は耐久性が高く、20~30年も壊れる心配がない素材です。
ただ、豪雨や台風、地震などの自然災害の影響、家が建っている環境によって劣化具合も変わってきます。
耐用年数とメンテナンスの目安
【耐用年数】
スレートは15年~20年
瓦は50年以上
金属製(ガルバリウム鋼鈑)は20年~40年
【メンテナンス】
スレートは10年~15年
瓦は10年~15年
金属製(ガルバリウム鋼鈑)は20年~30年
瓦屋根
スレート
金属屋根
屋根の補修や修理に必要な料金をご紹介
足場代は必要経費
屋根の修理や補修をする場合、足場を組んでから作業をするのが一般的です。目安の料金は1平方メートルで600円から1,000円と考えておくと良いでしょう。
延べ床面積が30坪程度の2階建ての家は約200平方メートル程度ですが、この面積なら12万円程度は必要です。屋根の修理を依頼する際には、修理費以外にもこの足場代が必要になると考えておきましょう。
塗装費用は1棟で20~50万が目安
屋根のメンテナンスで良くするのが塗装です。屋根の汚れを高圧洗浄で落とし、下塗りをしてから中塗り、上塗りの順で作業をします。
葺き替えは1棟当たり90~150万円
屋根の全体的に改善するときにするのが葺き替えで、古い屋根材をすべて取り除いてから新しい屋根材に置き替えます。このときには、新しい屋根材の費用だけでなく、取り除いた屋根材の処分費も必要です。また、今までは瓦だったけど、金属製の屋根材に取り替えたいときもあるでしょう。このときには、今まで使った雨どいなども交換するのが一般的です。
カバー工法では1棟で60~100万円
この方法は、今の屋根材をはがさずに上に防水材をかぶせてから新品の屋根材を施工する方法です。使っている屋根材をはがさないので古い屋根材の処分費が不要となり、料金を抑えることができます。
ただ、新たに屋根材を加えることで荷重が増してしまうことから、家の状態によっては施工できないこともあります。
部分修理なら低予算で修理が可能
上記で紹介した方法は屋根全体の施工ですが、一部が破損したケースでは部分補修をしてもらいます。
瓦1枚なら3,000円から
瓦1枚で3,000円~4,000円程度の料金設定が多いです。ただ、瓦一枚の破損でも、周辺の瓦を5枚から10枚交換するのが一般的です。
板金交換なら1メートルで8,000円から1万円
屋根材を固定する板金がはがれると雨漏りの原因になります。
漆喰は1メートルで2,000円から3,000円
漆喰は瓦よりもはがれやすく、はがれることで瓦の落下や雨漏りの原因ともなるので注意が必要です。
雨どいは角樋で1メートル4,100円~4,800円程度
雨どいが破損すると上手く雨水が流れず、腐食や雨漏りの原因になります。
修理依頼をする前に火災保険を確認しよう
火災保険は、火災のときだけでなく台風などの自然災害で破損したときにも申請ができます。修理費用を保険でまかなえることもありますが、依頼する修理業者には注意が必要です。
被災して保険を利用するには、被災に対して適切な見積もりが出せる業者を選ぶ必要がありますし、保険を悪用する悪徳業者もいるので、信頼できる業者への依頼が大切です。
業者選びのポイント
屋根の修理や補修は業者選びが重要です。この業者選びのポイントの一つに過去の施工を見せてもらう方法があります。
今施工している箇所の写真や完了後の報告書などを共有している業者も多く、過去の施工事例を確認することで納得できる業者選びもしやすくなります。また、複数社から見積もりを出してもらって比較することも大切です。
まとめ
使う屋根材に合った時期で修理や補修をする
屋根全体と部分修理とでは料金が大きく異なり、全体の施工では数百万円になることもある
業者選びでは複数社から見積もりを出してもらって、過去の施工も確認する
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「著者情報」
関裕一
東京都足立区出身 1級外壁・屋根調査士・ドローンパイロット
サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス) 最高技術責任者
18歳から塗装職人として2.250件以上の施工に携わる。
塗装業界の歪んだ構造を塗り替えるべく、奇跡の「新時代塗装」倶楽部を主催している。
お家を長く保つアドバイスを、分かりやすくお伝えします。
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